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人参漬け

2012.04.06

ご飯の友といえば「お漬物」、これがなくては和食の楽しみが半減してしまいます。

漬物といえば冬、私が育った家では沢庵漬けや白菜漬けなど一般的な漬物も作りましたが、それに負けず劣らず好きだったのがこの「人参漬け」です。

子供のころ人参は苦手な野菜でしたが、この「人参漬け」だけは別で、不思議なくらいいくらでも食べることができました。

つくり方はとても簡単で、ひたすら人参を切る、山のように切る(巾6ミリ、厚さ3~4ミリ程度※冬場の長人参が美味しい)それに昆布とスルメ(これも3ミ リ幅)も切って加える。 同量の酢と醤油を火にかけ、沸騰したら火を止めて冷ます。この漬けダレを切った材料に回しかけ、時々かき混ぜてなじませる。一晩 おけば出来上がり。冬の寒い時期なら一週間は大丈夫だけど、いつもその前に食べきってしまいます。

暮れになると、人参を刻む母のそばで、スルメと昆布をチョキチョキと鋏で切るのは私の役目で、きっちり同じ巾に切ることに異常に燃えたものです。漬けあ がった人参に美しく絡んだスルメと昆布を見るのが最高の楽しみでした。子供心に「いい仕事をしたな…」という満足感と誇らしさを感じたものです。あれから 数十年が経っているのに、未だにこの「人参漬け」は母につくってもらっているのです。 シンプルな料理なのに何故か母の「人参漬け」が一番美味しい!

春が来て暖かくなってきたので、今年も食べおさめです。お母さん、いつまでも元気で来年もまた「人参漬け」をよろしくね。

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