さようなら手塚大全集
2012.09.28
今から12年前、2000年の暮れ「手塚治虫漫画大全集DVD-ROM」というものを購入しました。 その頃はまだ参宮橋に住んでいて、散歩がてらよくオ ペラシティにある「ひとくち餃子」を食べに行っていました。 当時オペラシティの地下に手塚ショップ兼ミュージアムがあり、そこを観て帰るのも楽しみのひ とつでした。そんなある日、手塚ショップで何かやっていたので覗いてみると、それが「手塚漫画大全集DVD」のデモンストレーションだったのです。
ここで出会ってしまったのが運のつき、手塚作品をいつか全巻読みたいと思っていた私にピッタリのお兄さんの謳い文句!「これには世に出ている手塚作品は全 て収められているんです、その数なんと400巻!これを本で収納するのは大変なことですよ。でもこのDVDならたった8枚でいつでも手塚作品が読めるんで す!」しかも今回限り、数量限定、予約販売のみ!(どれもすばらしく魅力的な言葉)DVDはHDにコピーできるので、ノートPCで持ち歩けます。どこでも 読めますよぉ~!さらにこのセットにはまだ未発表の「オヤヂの宝島」愛蔵本版がついているんです。
そうか!これさえあれば何時でも読める、場所も取らない、いつか時間ができたらゆっくり堪能しよう!私の期待は一気にふくらんで「買います!」ところでい くら?「はい、定価12万円税込12万6千円です」う~ん…さすがに安くない。でもその気になってしまった私を止めることは誰にも出来ません。3歩下がっ て呆れて見ている娘の視線を感じつつカードを手にしていたのでした。
翌年3月、ようやくDVDが届きました。期待以上の装丁で大喜びしたのですがいざPCで読み始めると思った以上に読みにくいし疲れるのです。やっぱ紙がい いわ、なんて思っていると娘(小学生)が「おかあさん読まないなら私が見ていい?今、七色インコを読んでいる途中なんだけど、学校の図書館がいつも貸出し 中なの」と言って、あっという間に読み終えてしまいました。 子供の適応力ってすごい!
そんな訳で仕事を辞めたらゆっくり読むことにして館林にもってきたものの、なかなかその気にならず数年が過ぎてしまいました。さすがにこれはもう読まない のでは?という気がして、次の方に出会えるよう「今までありがとう」とお礼をいって「まんだらけ」に持っていきました。
全部読破するつもりだったのに…、でも、「いつか読もう」は「絶対読まない」だと分かったし、手元にあった間は大事にして幸せだったので役目は果たしてくれたのかな?と勝手にこんまりさんしたのでした。










この貴重な?経験のせいか電子書籍には全く興味が湧きません。 漫画も本もやっぱり紙の手触りとインクの匂いがなくっちゃね!