夏の置き土産
2013.08.20
我が家の近くには中央公園という動物と触れ合える公園がある。春や秋など気候のよい季節は散歩に行くのだが、なにしろこの暑さなのでしばらく遠ざかってい た。 10日ほど前の夕方、大甥が訪ねてきた。手には何かがぎっしり入ったレジ袋を持っている「みっこ~、おみやげだよ!」と得意そうに差し出す、 「え~、何かなぁ?」と覗いてみたがすぐには理解できなかった。二拍ほど遅れて焦点が結ばれ、脳が識別した!袋の中身は大量のセミの抜け殻だった。「中央 公園でとってきたんだ!」。う~ん、いったいどれくらいあるのだろうと広げてみたが、数えるのもうっとおしいほどの量だった。そういえば昨年公園に行った 時も地面は穴だらけだったっけ。 「セミはね~、一週間しか生きられないんだよ~」と大甥が愛おしそうに言った。 地中での7年という月日と、地上での7 日間の対比に思いを馳せる。何だか身の引きしまる思いがした…。正座して「ごくろうさまでした」と抜け殻たちに頭を下げる。忘れていた何かに出合えたよう な素敵な時間を大甥とセミに頂いた気がした